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歯の予防のお話し|よくわかる歯のお話

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歯の予防のお話しprevention tooth

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1.虫歯の予防

 アメリカのカイスと言う学者は、むし歯が発生するには

・細菌
・食べ物
・歯の質(抵抗性)

の3つが重なり合う必要があると唱えました。

 そして現在、ニューブランは、これらに時間の経過を加えています。よって、これらが重なり合わないようにしたら効果的にむし歯は予防は出来るのです。

むし歯の発生の要因(ニューブランの4つの輪 1978年)

ムシ歯予防においては

・家庭で実行する
・歯科医院でしてもらう
・集団(学校など)でする公衆衛生的なもの

この3パターンを理解して実行することも大切です。実用性、効果を比較するとフッ素による予防が1番です。

ムシ歯予防のチャンピオンは?

 順位  ご家庭  地域社会  歯科医院
 1位   フッ素入り歯磨剤 フッ素歯面塗布    水道水へのフッ素添加
 2位  フッ素洗口  シーラント  フッ素洗口(学校などで)
 3位  間食への注意  PMTC(週1回)  シーラント

※PMTC=専門家による歯口清掃

フッ素の利用

フッ素を利用した予防法は

・全身的応用
・局所的応用

に大別できます。

全身的応用

 主に水道水にフッ化物を添加する方法が用いられますが、我が国では飲料水にフッ素を添加している地域は残念ながらありません。 当院で使用している歯面塗布材等右側はブドウ、ミカンの味がして小児においても使用しやすい。

局所的応用

■フッ素歯面塗布法

 フッ素塗布はプロケアです。日本の場合は、歯科医師、または歯科衛生士という専門家が直接応用する手段として位置づけられてます。通常は年2〜3回の応用ですが、齲蝕リスクの高い子供にはさらに回数を増加することがあります。塗布剤にも色々ありますが、現在普及しているのはAPF(リン酸酸性フッ素)の溶液かゲルです。

■フッ化物洗口法

 フッ化物洗口も、低濃度のフッ素を口腔環境に作用させることができ、学校で行うと、一度にたくさんの子供に応用でき非常に公衆衛生的です。しかし日本ではフッ化物洗口剤は医薬品扱いなので、実施する際には、歯科医師の指導と指示が絶対的な条件になります。集団応用では週に1回、家庭では毎日行います。

なお、鹿児島県内では30以上の小学校、幼稚園、そして保育園で行われていて大きな効果が出ています。

■フッ素入り歯磨剤

 日本では水道水へのフッ素添加が行われていないので、今もっとも手軽なフッ素の利用法としてフッ素入りの歯磨剤の使用があげられます。使用することによって歯の再石灰化作用を促進し、むし歯にかかりにくくしますが、その効果はまだまだ十分とは言えません。

使用効果がもっとも期待できるのは乳歯、永久歯でも生えたばかりの頃ですが、その時期以外でも歯質を強くする効果があります。

■シーラント

 シーラントとはむし歯になりやすい歯の溝を、人工の詰め物で一時的にふさぐ方法です。細菌にすみかを与えず、清掃が簡単に出来るように溝をふさぐわけですが、特に乳歯やはえたての永久歯は未成熟ですので、容易に溝からむし歯が発生してしまいます。ですから、シーラントはこの時期に行うともっとも効果的です。

しかしシーラントは優れた予防法ですが、一部が欠けたり、外れてしまったりするとそこがむし歯になりやすくなります。定期的に歯科医院を訪ねて、シーラントの状態をチェックしてもらうことが大切です。

2.歯周病の予防=プラークコントロール

 歯周病の予防にはプラークコントロールが重要です。プラークコントロールは皆さんが家庭で、歯ブラシ、フロスなどを使って行ったり、歯科医院で専門的にプラークを除去してもらう(PMTC)、物理的方法と、薬用成分を含む洗口剤や歯磨剤を使ったり、規則正しい食生活により歯垢の病原性を弱めたりする、化学的方法があります。

なかでも、物理的方法によって歯垢をちゃんと落とすことにより、歯周病は予防できるのです。

とりわけ自分に適したプラークコントロールの方法を確立するには、歯科医師や歯科衛生士による、適切なアドバイスを受けることが大切です。

3.最後に

 昔から「口は健康の源」といいます。

お口の中を健康に保つことは全身的な健康への第一歩です。これからの生活をよりよいものにしていく為にも歯が痛くなったり、歯ぐきから血が出てきたりしてから歯医者さんを訪ねるより(それでも放っておくよりはましですが)、何らかの症状が出る前に、そして出来れば半年に一回など定期的に歯医者さんに通ってみて、お口の中を健康的に保つように心がけましょう。

予防というのは、何よりも皆さん自身の心がけによってその効果は大きく違ってくるものです。

分担執筆:伊東祐樹

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